2013年5月8日水曜日

半数以上が民主主義に中立的立場:ということは半数以上が民主主義を望んでいない

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●5日、中国で行われた調査で、67.1%が政治への参加に対して肯定的な態度を示した。写真は新聞を読む北京市民。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月7日 19時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72049&type=0

<調査>
国民の67%が政治への参加に肯定的、
半数以上が民主主義に中立的立場―中国

 2013年5月5日、中国社会科学院政治学所政治文化研究室の張明●(ジャン・ミンシュー、●はさんずいに「鼓」の「支」を「寸」に変えたもの)主任がまとめた調査結果によると、 
 中国国民の67.1%が政治への参加に対して肯定的な態度を示した
 BBC(中国語サイト)が伝えた。

 張主任は11年に実施した中国国民の政治的な素養に関する調査をまとめた
 著書「中国人はどんな民主主義を欲しているか」
をこのほど出版した。

 同書によると、
 「民主主義とは、国が定期的に選挙を実施し、複数の政党の競合を通じて国のリーダーを選出すること」
と認識している回答者の割合はわずか15.3%に過ぎなかった
 だが、政治への参加に対しては67.1%が肯定的な態度を示している。

 民主主義に対する見方については、51.5%が「中立的な立場」を示し、「左(進歩的)」は38.1%、「右(保守的)」は8%という結果だった。
 この結果について、張主任は
 「中立派の一部はメディアの影響を受けている。
 別の一部は、現状に不満を持っているものの、混乱を恐れて比較的温和な改革を望んでいる」
と指摘している。
 また、中国人が望んでいる民主主義は中国独自のもので、外国の民主主義とは異なったものであることも明らかになった。

 張主任はさらに、
 「徳による政治が法に基づく政治に優先する」
 「リーダーを選出する際に、法の順守よりも清廉潔白で公に尽くすことや品行方正な態度を優先させる」
 「公民の権利や自由の保障よりも、腐敗の解決や政府に対する大衆による監督が優先する」
などと回答した例を挙げ、
 「大部分の回答者の政治に対する認識はまだ論理的な段階にとどまっている」
と分析している。

 一方、このニュースに対するネットユーザーの書き込みには
 「中国政府の名のもとに実施した調査に大衆が正直に答えるはずがない」
 「言論の自由がない環境下での行為はすべて偽にすぎない」
など、調査に対する懐疑的な意見が多く見られる。


 中国人にはまだ「民主主義」というものが分かっていないのだろう。
 なぜなら、過去にそのような制度は一度も行われたことがないので、イメージできないというのがおそらく正しいのではないだろうか。
 2/3の67%が政治に参加したがっているが、どのような形で参加できるのかが理解できないでいる。
 政府が
 「共産党の命令に断固として服従すること」
をスローガンにしている限り、民主主義とはどういうものかはどうやっても人びとの間でイメージできるわけがない。
 政治への参加は、
 「議員への自由な立候補と国民誰もが拘束されない一票を行使できること」
ではじめて可能になる。
 それがまた民主主義でもある。
 政治へは参加したいが、どうしたらいいかがわからない、それが中国の現実だということになる。
 そしてそれは
 「中国人が望んでいる民主主義は中国独自のもので、
 外国の民主主義とは異なったものであることも明らかになった」
ということにはならない。
 中国人が「自由な立候補と、拘束されない一票の行使という大前提」が理解されていないかぎり民主主義が理解されることもない。
 中国と西欧が別の民主主義ということではなく、中国人が西欧の民主主義をイメージできる状況ではないし、イメージさせることを政府が拒んでいるということだろうと思う。



レコードチャイナ 配信日時:2013年5月14日 8時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72190&type=0

<中国気になる話>
民主主義望む中国人は少数派か?
ネット世論と現実の乖離―中国

 2013年4月18日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、記事
 「中国に“右派”は8%しかいない、『中国人はどんな民主を求めているのか』著者インタビューを読む」
を掲載した。

 「ネットを見ていると、中国政府に批判的な声ばかりで明日にも革命が起きそうなのに、現実社会に戻るとまったく何も起きていない。
 この違いが不思議です。」

 これはある中国人の友人が私に話した言葉だ。
 中国のネットや知識人の間では西洋的な民主主義や市場経済的改革を支持する右派が主流という印象を受ける。
 だが実際の社会ではどうなっているのか?
 選挙がない中国ではなかなかその実数を把握できない。

 この興味深い問いに、一つの答えを与えてくれる本が出版された。
 それが『中国人はどのような民主を求めているのか』、だ。
 3日付南方週末が著者インタビューを掲載している。

 同書はアンケート調査で、中国人の政治的志向を調査、分析したものだが、その結果は驚くべきもの。
 ネットで圧倒的多数に見える右派はわずかに8%に過ぎなかったという。
 逆に個人の利益よりも国家を優先し、毛沢東時代を評価し、西洋的な普遍主義を否定的に見る左派が38%と圧倒的に多かった。

 さらに
●.「若者ほど西洋の政治方式=民主主義に賛同する傾向が高いが、実際の政治参加の意欲は低い。
逆に年寄りほど西洋的な民主主義に否定的だが、政治参加への意欲は高い」
●.「学歴が高いほど左派的な志向が強くなる一方、既得権益を持つ層として急進的な改革派好まない傾向がある」
●.「民主はすばらしいと考える人間も、実は市民の権利や自由よりも「汚職対策」をしてくれる政治指導者を望んでいる傾向が明らかとなった」
など、中国市民の政治意識を分析している。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。







【中国ってなんでそうなるの!】




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