2013年7月6日土曜日

法律が決める親子関係濃度:さすが独裁国家の国風

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●高齢化が進む中国


CNNニュース 2013.07.05 Fri posted at 09:00 JST
http://www.cnn.co.jp/special/cnnasia/35034235.html?tag=top;topSp

「親元訪問を頻繁に」 高齢化進む中国で問われる家族像

香港(CNN)
  人口の高齢化が進む中国でこのほど、親と離れて暮らす子どもに「頻繁に親元を訪れること」を求める法律が施行された。

 相次ぐ高齢者虐待事件などを受け、昨年12月に改正された「高齢者権益保障法」だ。
 子どもが60歳以上の親の経済的、精神的なニーズに対応することも規定に盛り込まれた。

 CNNが取材した上海のある女性(28)は、金融業界のマーケティング部門で働く。
 一人っ子の女性は春節(旧正月)と国慶節(建国記念日)の年2回、6時間かけて山東省の実家を訪ねるという。
 「もっと行くべきだとは思うが仕事が忙しく、プライベートな時間を犠牲にせざるを得ない」
と話す。

 新たな法律の趣旨には賛同すると、女性は言う。
 「仕事を言い訳に親の世話から逃げる若者がいるのは事実。
 私の場合は両親のことを気に掛けているのに、ほとんど休暇が取れないこと、実家が遠いことが問題です」
とため息をつく。

 新華社通信によると、中国では2011年末の時点で60歳以上の人口が約1億8500万人に達した。
 15年には2億2100人に増え、50年までに国民の3分の1が高齢者となる見通しだ。
 一人っ子政策と30年間に及ぶ経済改革の結果、この女性と同様の悩みを抱える若者が急増している。

 江蘇省では最近、農家の男性が100歳の母親をブタ小屋に閉じ込めていたと地元テレビ局が報じ、物議を醸した。
 年金や社会福祉制度の不備から、農村では特に子どもへの依存を余儀なくされる高齢者が多い。
 北京大学国家発展研究院の統計によれば、高齢者の2割以上は貧困ライン以下の生活を送っている。

 近代化の波の中で、親孝行を重んじる伝統的価値観も薄れてきた。
 香港科技大学のアルバート・パーク氏は
 「多くの原因が重なって家族間扶養のシステムが崩れ始めた。
 政府はこの流れを食い止めようとしている」
と指摘する。

 改正法は、子どもが親の世話から逃れようとして相続権を放棄することを禁じ、世話をしない場合は毎月手当てを支払うべきだと定めた。
 高齢の親が子どもを訴えることも可能としたが、
 具体的な手続きや子どもへの罰則は明記されていない。

 法律の専門家からは、「頻繁」に帰省するというあいまいな表現を批判する声が上がっている。
 また、仕事や勉強のために実家を離れる若者に不当な負担を強いると批判する人も多い。

 農村部の小さな町に住む男性(50)は、一人っ子の娘を米国留学に送り出している。
 修士号を取って帰国する娘には上海や北京などの都会で仕事を見つけてほしいと、男性は話す。
 「娘には心身ともに負担をかけたくない」
 「私にとって一番重要なのは娘のキャリア。
 娘の教育にはたくさんの時間とお金を費やしてきた。
 ぜひ成功してほしい」
と語る男性は、新たな改正法について「親子関係をゆがめてしまう」と批判した。


 中国の「圧縮成長のゆがみ」だろう。
 何かを犠牲にしたから、あれほどの成長を短期間に成し遂げられた。
 それが、環境汚染であったり、家族制度の崩壊だったりする。
 もとのままなら、昔の中国から這い出ることはできなかったはずだ。
 ただ、あまりにも独裁国家固有ののめり込みでそのスピードが早すぎて周辺に歪が大きく出てしまった。
 これはいたしかたないことなのかもしれない。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月4日 16時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73961&type=0

「実家に頻繁に帰省」は法律で義務化された
=社会競争の激化で「難しい」=各国メディアが報道―中国

 2013年7月1日、「実家へ頻繁に帰省して親に顔を見せなければならない」などとうたった「高齢者権益保障法」が中国で新たに施行され、海外からも注目が集まっている。
 「競争が激化する現代の中国でそうしたことを義務付けるのは難しいのではないか」
と、米英の各メディアが伝えている。
 中国紙・環球時報が2日付で伝えた。

 1日、米CBSは「中国の新たな法律が高齢者ケアへの関心を引き付けている」とする記事を掲載。
 世界的に高齢者が増加しており、その扶養やケアは大きな問題になっていると伝えている。
 今回の中国での法施行は、高齢者らの家庭内での孤立という現実を反映しているとも指摘した。
 米AP通信によれば、中国には60歳以上の高齢者が1億8500万人いるとされ、2053年には4億8500万人にまで増加し、中国の総人口の35%を占めることになるという。

 中国社会では以前とは異なり、二世帯同居世帯が減っている。
 独居老人も増えている中、英BBCは
 「もし高齢者権益保障法に定められた義務を果たさなければ、罰金が科せられる可能性や、告訴されたり懲役刑が科せられたりする可能性もある」
と報じている。

 米USAトゥデイも同法の施行を報じ、
 「中国では子どもが先祖を敬い、親孝行することが当たり前という儒教思想があり、人々もそれを誇りに思っていた。
 しかし、現在では生活が大きく変わり、農村から都市へと働きに出る人が増え、競争に満ちた社会へと変容したことで実家へ頻繁に帰省することは困難な状況になっている」
と伝えている。

 中国のある社会学者は
 「高齢者権益保障法の施行によって、各企業は従業員が帰省できるように十分な休暇を与えなければならなくなる」
と指摘している。
 また、定年退職したある高齢者は
 「電話で十分。
 わざわざ帰省するのは若い人には難しいはず」
と話しているという。
 一方、30歳代後半のある男性は
 「実家から遠隔地で独立して生活する者にとっては、今回の法律施行は非合理的。
 帰省するには費用もかかるし、心理的負担も増える」
とこぼした。




【中国ってなんでそうなるの!】


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