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JB Press 2013.07.23(火) The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38277
中国の女性と不動産市場:住宅ローンとの結婚
(英エコノミスト誌 2013年7月13日号)
住宅価格の高騰は男性より女性を苦しめているのだろうか?
中国共産党は1949年に政権に就いた後、ブルジョア的な制度の多くを攻撃した。
しかし結婚はその対象にはならなかった。
それどころか、共産党は1950年、憲法制定の4年前に婚姻法を制定している。
現在の中国でも結婚に対するプレッシャーは依然強く、成人のうちどこかの段階で1度は結婚した人の割合が80%近くに達している(米国は68%どまり)。
しかし、1950年代とは対照的に、最近では結婚が別のブルジョワ的慣習と密接に繋がっている。
不動産である。
中国では、結婚前に住宅ローン契約を結ぶことが多い。
一般的な考えに従うと、
男性とその家族が不動産を買うことができないと、花嫁探しに苦労する。
北京に本社を置く市場調査会社、零点研究咨訊集団(ホライゾン・チャイナ)が中国沿岸部に住む若者を対象に行った最近の調査によれば、
女性の4分の3が夫を選ぶうえで住宅を用意できる力を考慮するという。
女性本人がこの基準を退けたとしても、この国の不動産会社は言うまでもなく、女性の家族と友人がそのことを忘れさせてくれない。
資産を持たずに結婚する「裸婚*1」を受け入れる若者が増えている。
しかし、彼らが歳を重ねるにつれ、社会の発展よりも急速に態度を後退させる可能性がある。
*1=愛があれば何も要らないと、家も披露宴も結婚指輪もない素朴な結婚のスタイルのこと
北京在住のある女性(28歳)は、大学在学中に現在の夫と恋に落ちて結婚した。
だが、
「もし今、誰かに男性を紹介してもらい、その人がマイホームを買えなかったとしたら、結婚しません」
と彼女は話す。
「もっと現実的にならなくてはいけません。
二十歳の小娘じゃないんだから」
■競争熾烈な「結婚市場」、男性過多の地域ほど住宅が高騰
一部のエコノミストは、結婚「市場」での花嫁獲得競争が中国の不動産市場における法外な高値を説明するのに役立つと主張している。
住宅が最も手の届かない高値になっているのは、人口比で男性が女性を圧倒的に上回る地域だと、米コロンビア大学の魏尚進氏と国際食糧政策研究所(IFPRI)の張暁波氏、清華大学の劉寅氏は主張する(上図参照)。
男性(とその家族)は、花嫁獲得の行列でより前に並ぶために不動産に大金を費やす。
だが、これでは他の男性がそれに対抗して、もっとカネを使うという事態に陥るだけだ。
エコノミストらいわく、独身男性はダーウィン的な適者生存レースに陥っているという。
過度に高い住宅は孔雀の派手な羽根と似ている。
最も財力のある男性だけが披露することができる目立つ飾りなのだ。
こうして住宅購入という負荷が独身男性に重くのしかかる。
しかし、この負担はもはや独身男性に限った話ではない。
零点研究咨訊集団の調査によると、今では7割のケースで女性とその家族が結婚相手の住宅購入に資金を提供しているという。
住宅購入に手を貸すのは、その必要に迫られているから(中国沿岸部の高い住宅を買うには夫婦がそれぞれの所得をプールしなければならない)でもあり、手を貸すことができるからでもある。
若い女性は以前より所得が増えており、多くの場合、その女性が一人っ子である両親からの援助が増えている。
■住宅ローンの男気
零点研究咨訊集団の調査によると、最近は大方の女性が住宅購入に金銭的に貢献しているものの、権利書の名義に自分の名前を加えている既婚女性は3割程度に過ぎないという。
清華大学の社会学者、リタ・ホン・フィンチャー氏は
「大勢の中国女性が、史上最大規模となる可能性がある住宅資産の蓄積から締め出されている」
と心配している。
この富に自分の名義を加えようとする女性も増えている。
2006年以降に結婚した女性の37%は連名登記に成功した。
2011年に最高裁判所が離婚規定を明確に線引きしたことで、女性たちの努力は緊急性を増した。
それぞれの当事者は離婚時に、住宅ローン返済への貢献に対して元配偶者に補償した後、自分が名義人である不動産を保持すると明記されたからだ。
しかし、共同名義の不動産登記は、官僚的、社会的な障害に直面する。
ホン・フィンチャー氏のインタビューを受けたある女性は、住宅の頭金に多額の貢献をし、双方の名義で登記するよう主張した。
ところが、男性の母親が、花嫁になるその女性の方が稼ぎが良く、女性が男性の元から去る可能性の方がその逆よりも高いと言って、要求を取り下げるよう頼んできた。
共同名義にすれば、男性のプライドをさらに傷つけることになるからだ。
法律上は原則として、マイホームが妻名義で登記されていなくても、離婚時には住宅ローンに対する貢献を補償される権利がある。
だが、女性は住宅に対して支払った額を記録に残していないこともある。
そして女性が住宅ローンに資金を回していないとしても、家計の他の部分で多額の費用を負担しているかもしれないとホン・フィンチャー氏は指摘する。
多くの場合、男性が住宅ローンを支払うことができるのはひとえに、家具、調度品、その他の出費を女性が引き受けているおかげだ。
「住宅の所有権は男らしさを顕示するものだ」
とホン・フィンチャー氏は語る。
実際は妻も共同で家計を担っているにもかかわらず、住宅を保有するという誇りを夫が全面的に持っていられるように夫婦の負担を調整している例も多い。
従順な妻は夫のメンツを保つ義務があると感じるかもしれない。
中国では、男らしく見せかけることもまた、いまだに弾けていないバブルなのだ。
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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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CNN ニュース 2013.07.15 Mon posted at 14:15 JST
http://www.cnn.co.jp/special/cnnasia/35033378.html?tag=top;topSp
これが中国の婚活最前線 イベントに1.8万人集結、親も参戦

そのイベントは「第3回上海恋愛結婚エキスポ」と呼ばれていた。
だが、イベント名とは裏腹に独身の男女1万8000人以上が集まった会場にロマンチックな雰囲気はひとかけらもなかった。
大勢の男女が、男なら青、女ならピンクに色分けされた掲示板に張られた参加者のリストを使って相手を探す。
参加者は、年齢をはじめ、身長や学歴、年収、登録された出身地といった重要な情報をじっくりと調べる。
あるものはノートに記録し、あるものは携帯電話で写真を撮るといった具合だ。
別の会場では、100人を超える20代、30代の男女がテーブルを挟んで向かい合っていた。
BGMにノラ・ジョーンズのラブソングが聞こえてくる。
8分間のスピードデートだ。
8分が過ぎると、司会者が男性陣に席を2つ左へずれるよう呼びかける。
参加者のなかにはこれが「初デート」のものもいる。
夏休みを利用してイベントに参加したカナダの大学に通うイシン・バイさん(20)もその1人だ。
イベント参加を「リサーチみたいなもの」と表現するバイさんだが、学校ではロマンチックな関係よりも勉学に励むよう求められる若い中国人にとって恋人がいないことは珍しいことではない。
バイさんらが参加したスピードデートのイベントは中国の婚活サイト大手「珍愛網」の運営会社が主催したもの。
同社によれば、登録者数は5800万人を超え、現在も毎月100万人の割合で数が増え続けているという。
創業者で最高経営責任者(CEO)のソン・リー氏によれば、中国政府が1979年に導入した一人っ子政策のために、中国の若い男女はデートに重要な社交術が未熟だという。
「1980年以降に生まれた多くの子どもたちにはきょうだいがいない。
そのため、彼らは性別の違った相手と接する経験を持たない環境で育った」
と指摘する。
参加者の多くは、友人や家族といったつながり以外から、ロマンチックな相手と出会うことが難しいため、こうしたイベントに参加すると答えた。
中国人の多く、特に女性は20代後半になるにつれて、結婚へのプレッシャーが増す。
イベントに参加した26歳の女性は
、「母から『なぜまだ独身なの。あなた、おかしいの?』と聞かれる」
と言う。
その横にいたメイと名乗る別の女性も「みんな同じ」と笑う。
メイさんは
「独り身なので自由を感じるけれど、誰かとデートしなければいけない時期かもしれないということも分かってる。
30歳前には結婚しなきゃ」
と語る。
2人とも「売れ残り」は避けたいという。
何千人もの独身の男女が一堂に会しているというのに、異性を誘惑しようという雰囲気がほとんどないのは驚きだ。
人々は会場を歩き回りながら、婚活を支援する企業のパンフレットを手に取ったり、自分磨きのためのレッスンを聴くために立ち止まったりしている。
婚活イベントというよりは就活フェアのようだ。
珍愛網のリー氏は
「的確な比喩(ひゆ)だ。
配偶者を見つけることは、仕事を見つけるようなものだ」
と語った。
さらに驚くのは多くの親がイベントに参加していることだ。
会場の入り口で自分たちの子どもの詳細について記された宣伝用のポスターを掲げて立っているものや、成人した息子や娘のかたわらに立ち企業のブースをのぞくものもいる。
会場を回っているとメイさんの携帯電話が鳴った。
別の場所にいる父親からのものだった。
メイさんが父親のところへ行くとその横には別の男性が立っていた。
その男性の息子は銀行に勤めているが、今回のイベントには参加していないという。
なんとも幸運なことに、男性は息子の写真を持っていた。
ついでに、パスポートも。
写真を見たメイさんの反応は悪くはなかった。
今度は男性がメイさんの写真を携帯電話で撮影する。
メイさんは2人に感謝している様子だ。
「2人とも、自分たちのこどもにぴったりな相手を見つけようとしているんだもの」
とメイさんは笑った。
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【中国ってなんでそうなるの!】
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