2013年12月6日金曜日

とりもとったり:裏口入試のワイロで数十億円を蓄財、中国大学職員の業績

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レコードチャイナ 配信日時:2013年12月5日 21時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80082&type=0

裏口入試のワイロで数十億円を蓄財、大学職員を高飛び直前に逮捕―中国


●5日、中国クラスタでは防空識別圏設定のニュースでもちきりですが、大きな汚職事件に発展しそうな報道が飛び込んで来ました。写真は中国人民大学。

 2013年12月5日、中国クラスタでは防空識別圏設定のニュースでもちきりですが、大きな汚職事件に発展しそうな報道が飛び込んで来ました。(文:水彩画)

 中国人民大学紀律検査委員会副書記が明かしたところによると、人民大学学生募集・就職処の蔡栄生(ツァイ・ロンション)処長が広東省深セン市で逮捕されました。
 偽造パスポートでカナダへ国外逃亡しようとしていたところを間一髪防いだようです。
 蔡処長は学生の募集や就職支援などを担当する部署のトップ。
 恐らく学校から支給されていた公的なパスポートが使えないので、偽造したものと思われます。

 逮捕された先月27日午前には、「同校の紀律委が現在調査中」との一報がネットを駆け巡ったのですが、大学は「どの部門からも正式な連絡を受けていない」と回答しています。
 公式にはまだ発表するなと釘を刺されているのがうかがえるのと、報道を否定せず「事実であれば」という言い回しなので、内々に連絡自体は受けていたようであります。

▼中国版AO入試で数十億元を収賄

 蔡の疑惑については2010年頃からネットでうわさされていました。
 自主募集を口実に面接で賄賂を受け取っていた、学長秘書の胡娟(ホー・ジュエン)といい関係にあった、論文改ざんなど…。
 これらまことしやかに語られていたうわさのほとんどが事実だったもよう。
 賄賂は総額で数億元(数十億円)に達するとみられています。

 ポイントは自主募集(中国語は自主招生)。
 中国の大学入試は基本、高考(全国高等学校学生募集統一試験)に一本化されています。日本のセンター試験に似た仕組みで各省・市ごとの統一試験を受験。
 その点数で合否が決まるという仕組みです。

 ところが抜け穴もあります。
 それが自主募集。
 こちらは日本のAO入試に似た制度です。
 各大学ごと、あるいは複数の大学の連合体が独自に試験を実施するというもの。
 規定は各学校ごとにばらばらで、中には高考の受験も必要、ただし点数は参考にとどめるといったところもあるようです。

 試験勉強に特化していない人材確保という美名の下、スポーツエリートを獲得とかに使われているわけですが、それだけではなく裏口入学の絶好の手段になっているとの批判もあります。
 2011年には11歳の「神童」が名門・人民大学に入学しましたが、実はその「神童」は富二代、つまり金持ちのボンボンでした。
 これも疑惑どまりだったようですが、合格基準があいまいなどと批判を受けています。
 この「神童」合格問題も蔡の責任とされそうな勢いであります。

▼事件の余波

 「大学職員が数十億円を収賄、高飛びを試みる」だけでも大ニュースですが、事件はこれだけでは終わらないようです。

 蔡は逃亡前に前学長の紀宝成(ジー・バオチョン)の違法行為について書面を残しているとも伝えられています。
 紀前学長は、蔡が人民大学商学院で博士号を取得した時の担当教授。高飛び前に恩師に後ろ足で砂をかけていったということで、このあたりのいきさつ、恩讐も気になるところ。
 単に対立関係というだけではなく、蔡、そして現学長秘書の胡娟は、紀前学長の直系の弟子とのこと。
 当局は拘束こそしてないものの、目を付けているようです。

 紀前学長は10月27日に教育部の会議に出席しているのですが、果たして前学長にまで飛び火することになるのでしょうか。

 また余談ですが、中国共産党中央紀律委員会が派遣した巡視グループが9月に人民大学を訪問しています。
 その際、「自主募集の面で連携が弱い」「(高飛び防止の)出国管理が制度化されていない」などの指摘をしています。
 的確な指摘というべきか、巡視グループのチェックが今回の高飛び未遂事件のきっかけになったのかまではわかりませんが、とりあえず正しい指摘をしたとのことで、中央紀律委員会は鼻高々ではないでしょうか。

◆執筆者プロフィール:水彩画(すいさいが)
中国政治ウォッチャー。ブログ「中国という隣人」を運営。葬式ウォッチなどクラシカル・スタイルの中国政治ウォッチを続けて、はや*年。不透明な中国政治を読み解こうと悪戦苦闘中。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月6日 23時6分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80087&type=0

有名大学は「裏口入学」で荒稼ぎ
=1人につき1700万円、教育にまで及ぶ汚職の毒牙―中国


●4日、北京の国家重点大学で汚職が行われていることが発覚した。裏口入学は1人につき100万元以上だという。写真は中国人民大学。

 2013年12月4日、中国・北京にある国家重点大学・中国人民大学で汚職が行われている実態が報じられた。
 新入生の募集と学生の就職を管轄する部署の元責任者が海外へ逃亡しようとして広東省深セン市で身柄を拘束され、同校の教育学院執行院長も免職となった。
 参考消息(電子版)が伝えた。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは3日、新華社の報道を引用し、有名大学への裏口入学は1人につき100万元(約1700万円)以上が担当責任者に支払われていたと報じた。
 中国では一流大学への入学は競争が厳しく、募集数も少ないことから、汚職の舞台になってしまったと指摘している。

 また、何らかの理由で入学を辞退した人の合格枠を別の人に書き換えたり、他の学部や専攻に移したりする行為も行われている。
 2012年には39歳の化学科教授が飛び降り自殺しており、不正行為による精神的ストレスが原因だったとみられている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年12月8日 17時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79985&type=0

広がる「教育格差」、農村部の大学進学率はわずか3%、教科書代すらままならぬ―中国


●3日、AP通信はこのほど、「貧しい村から有名大学へ、不公平な環境で道を切り開く」と題した記事を掲載した。写真は中国の農村。

 2013年12月3日、環球時報によると、AP通信は1日付で
 「貧しい村から有名大学へ、不公平な環境で道を切り開く」
と題した記事を掲載した。

 穆(ムー)さんは子供の時に住んでいた家を眺めていた。
 ノートで継ぎ接ぎした壁紙はもうボロボロで、ほこりをかぶった机には
 「梅花香自苦寒来(梅の花は寒いときこそ美しく香る。
 『厳しい環境の中で、忍耐と努力を乗り越えてこそ芯が強い人間になる』との意味)」
の文字が残っている。
 故郷に帰ってきた穆さんは
 「この字を励みに生まれ育った貴州省から北京市の有名大学院合格への厳しく困難な道のりを歩んだ」
と話す。

 中国の教育にはなおも階層差が色濃く反映されている。
 急速な成長をとげる現代中国では、経済と社会の不公平さが日増しに強くなっている。

 農村部では子供に教育を受けさせるために大きな犠牲を払っている家庭が少なくない。
 穆さんの家も非常に貧しく、穆さんが勉強を続けるために兄は中退を余儀なくされた。
 大学の生徒募集枠は大都市の学生に有利なものであり、穆さんは人一倍努力したことで、北京の学生がトップの国立大学に入学できる点数で西南政法大学に合格した。

 スタンフォード大学の研究によると、中国農村部の貧しい学生の大学進学率はわずか3%。
 一方、上海市の公式データでは、同市の大学進学率は84%に上る。
 2011年の政府予算を見ると、学生1人当たりへの支出は貴州省が年間552ドル(約6万円)であるのに対し、北京市は2985ドル(約30万円)で、大きな差があることがわかる。
 義務教育であっても、貧困家庭では教科書代を負担するのもままならない。
 また、多くの農村部の学校が閉鎖や統合に見舞われたことで、通学や寮生活が困難になり、農村部の中退率は上昇の一途をたどっている。
 中国教育部は不公平な現状に対し、農村部の教師・生徒に対する財政支援を強化することで格差縮小に取り組むことを約束した。

 週末には農作業をしなければならないという穆さんは
 「都市部の学生よりも2、3倍は努力する必要がある。
 昨年、奨学金で北京の大学院に入ることができた。
 兄が払った犠牲に対する償いがしたい」
と話した。




【中国ってなんでそうなるの!】


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