2013年6月22日土曜日

100万人以上いる「裸官」:職業倫理もない「裸官」は恥さらし!


●19日、中国社会科学院農村所社会問題研究センターの于建[山榮]氏は、「執政者が政治体制を信じられないことは残念な事だが、職業における倫理すらないのは恥さらしに他ならない」と発言した。写真は今年3月、北京市で行われた第12期全人代第1回会議。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月22日 19時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73545&type=0

<中華ボイス>職業倫理もない「裸官」は恥さらし!―中国社会問題専門家

 2013年6月19日、中国には妻や子供たちとすべての資産を海外に移し、何かあれば身一つで海外に逃げることのできる、
 いわゆる「裸官」と呼ばれる中国の高級官僚たちが「100万人以上」いる
とみられている。

 中国社会科学院農村所社会問題研究センターの于建[山榮](ユー・ジエンロン)氏は
 「端午の節句に、国家行政学院の高官100人余りを相手に講義をした。
 私は、
 “なぜ今多くの官僚が汚職に手を染め、『裸官』が横行しているのか?
 彼らは、
①.政権の体制安定を信じず、政権が崩壊する前に甘い蜜をかき集め、いざとなったら国外に逃亡しようとたくらんでいる者と、
②.今の体制が永久に続くと考え、長い物にまかれていれば安泰だと信じている者
の2種類いる。
 執政者が自身の政治体制を信じられないことは残念な事だが、
 職業における倫理すらないのは恥さらしに他ならない”
と彼らに伝えた」
と自身の講義を紹介した。


 誰だって自分自身が可愛い。
 次に家族が可愛い。
 その家族に安心を与えられないような政治体制なら、自身で防衛するしかない。
 「恥をさらしても、家族の安全が優先する」
 それが当たり前にして、常識的な論理。
 それがわからないような社会問題専門家とは、もはや
 「専門家の名に値しない」


JB Press 2013.06.25(火)  柯 隆
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38021

裁判官まで腐敗している中国
堕落は必然、「監視」の仕組みがない一党独裁


 中国で最も危険な職業は何か。
 それは炭鉱夫ではなく、ダムや橋を建設する労働者でもない。
 実は、職業として最も危険なのは共産党幹部であるかもしれない。

 民主主義体制に移行していない現状では、共産党幹部の権限は日増しに膨張している。
 一方で何の監督・監視も受け入れないため、腐敗はとどまるところを知らない。
 汚職が摘発され、無期懲役や死刑の判決を受けることも珍しくない。
 ある調査によると、近年、法曹界も腐敗しつつあり、裁判官と副裁判官の約40%が汚職に手を染めているという。

 中国では、共産党幹部は危険性の高い人種と言われている。
 共産党幹部にとって昇進することはいったい吉なのか、それとも凶なのか、予測不可能である。

 北京大学の賀衛方教授(法学)は、幹部の腐敗は単なる個人のモラルの問題として追及すべきではなく、制度的欠陥を取り除くことが重要であると述べている。
 中国の政治体制の最大の欠陥は、独裁を是とする仕組みだ。
 つまり国民による監督・監視をまったく受け入れないことである。


■裁判官まで腐敗、見て見ぬふりをしてきた胡錦濤政権
 これまでの10年間、政治改革は先送りされてきた。
 司法の独立性を担保する司法の改革は逆戻りしている。また国有企業の民営化に関しても、経済成長とともに国有部門が逆に急速に肥大化している。
 さらに、国民の間で富を公平に分配する制度の構築が求められているが、所得格差は予想以上に拡大している。
 このような改革の遅れこそ、社会の不安定化をもたらす最大の原因である。

 胡錦濤前国家主席は退任後、
 「自分は改革を進めようとしたが、既得権益集団の妨害により改革が失敗に終わった」
との談話を発表したと言われている。
 この談話が事実であれば、改革が胡錦濤政権の間、停滞していたことを本人が認めたことになる。
 原因は既得権益集団の妨害にあったとされているが、最高権力者としての責任は免れない。

 ここで問われるのは、胡錦濤前国家主席の指導部がどこまで本気で改革を進めようとしたのかである。
 もしもやる気があったのに能力が足りなかったのだとすれば、それは指導者選出の制度に問題があると言わざるを得ない。

 25年前、浙江省のある裁判官は原告からカラーテレビを購入するクーポンを2枚もらった。
 クーポンを持っているとカラーテレビを約4000元安く購入することができた。
 ちなみに当時の4年生大学卒業生の初任給は約80元である。
 この事件が発覚して裁判官は党籍を剥奪され、免職処分となった。

 それから25年間経過して、中国最高裁判所の副裁判官が約3500万元(約5億円)を収賄して逮捕された。
 今の大学生の初任給は2000元前後である。
 最高裁副裁判官が収賄した金額は大学卒業生の1000年分以上の年収に相当する。
 逮捕された副裁判官は無期懲役が宣告され、今も服役中である。

 裁判官まで腐敗してしまえば、どんな社会も「公正」は望めなくなる。
 胡錦濤政権はこうした現実について見て見ぬふりをしてきたということだ。

■「勝ち組」幹部の苦悩

 共産党が資本主義を批判するのは自らの権力の座を守るためであり、心から資本主義を憎んでいるわけではない。
 「改革開放」政策は、共産党による独裁を維持する前提で、資本主義市場経済的要素を取り入れることである。
 経済が自由化される中で、共産党の独裁が担保される政治体制こそ、幹部が腐敗する温床である。

 現役共産党幹部は既存体制のメリットを最大限に享受しているが、この体制が持続できるとは信じられていない。

 現在、アメリカの大学に留学する外国人留学生は中国人が一番多い。
 アメリカ政府が調べたところ、
 中国政府の高級幹部のうち86%の幹部は自分の子供と孫をアメリカに留学させている
と言われる。
 しかも、その半分以上は中国に戻らず、アメリカに移民することを望んでいる。
 中国社会の「勝ち組」のジュニアたちは、国を捨ててアメリカへ新天地を求める。
 これは不思議な現象である。
 2012年、失脚した重慶市共産党書記の薄熙来は、市民の前で資本主義を痛烈に批判しながら、息子をイギリスとアメリカに留学させている。

 共産党幹部において「裸官」という現象が見られる。
 「裸官」とは、妻子をアメリカやイギリスなどへ移民させ、自分ひとりが国内にとどまって収入を得る幹部のことである。
 裸官であれば、たとえ収賄などで逮捕されても、家族に飛び火することはない。

 これは家族のために自分を犠牲にする「家族愛」と言えるかもしれないが、「裸官」になる決意をした段階からその幹部は汚職に手を染めるつもりだとも言える。

■安心・安全な食品を口にしている共産党幹部

 六十数年前、毛沢東が政権を取ったとき、共産党幹部は「人民の公僕」と言われていた。
 しかし、今の共産党幹部は特権階級になってしまった。
 北京の中南海に住居を構える共産党指導者は米や肉などの食品について特別な供給を受けている。
 地方政府の役人には、農家との特別な契約により安心・安全な食品が供給されている。

 問題は普通の国民の食生活である。
 乳幼児の粉ミルクにメラミンが混入されても、その責任の所在は明らかにされない。
 普通の国民は、一体何を口にすれば安心できるのだろうか。
 共産党指導者の家族も普通のスーパーや市場で買い物するようになれば、食品の安全性は相当高まるのではないか。

 昔と違って今はインターネットの普及により情報の伝達は予想以上に速い。
 共産党幹部の腐敗を国民が知らないわけではない。

 映画監督・小説家の梁暁声は共産党幹部の腐敗ぶりに怒りを覚え、
 「係長以上の幹部を全員逮捕しても冤罪にはならない。
 課長以上の幹部を全員処刑しても冤罪にはならない」
と述べている。
 若干感情的で過激な言い方だが、それほど共産党幹部の腐敗が横行し問題になっているということだ。

 ただし繰り返し言うが、共産党幹部の腐敗は、幹部個人の腐敗というよりも、制度そのものの腐敗に根本的な原因がある。
 渦中にいる共産党幹部は、自らが直面する制度の危険性を十分に承知しているはずである。
 この危険性こそ共産党幹部にとってのチャイナリスクと言えよう。





【中国ってなんでそうなるの!】


_