●米ジョンズ・ホプキンス大学
『
ウオールストリートジャーナル 2013年 6月 28日 11:47 JST By WEI GU
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324873304578572442798090434.html
欧米一流校の夏季コースに子どもを送り込む中国の親たち
子供の成功に強迫観念に近い思いを持つ中国の親たちにとって、西側の一流校の夏季学校に子どもを送り込むことが最近の「義務」となっている。
中国の学生たちは怠惰とはほど遠い。
年に平均40週も学校に通っており、米国の36週を上回る。
中国の親は以前から、夏休みの間も勉強を続けさせるために学校に行かせているが、今では米国と英国の一流校に行かせるのがはやりだ。
親たちが費用のかかるこうした海外留学をさせるのには3つの理由がある。
1つは、子供たちに試験をベースにした悪名高い中国のカリキュラムではなく、西側のセミナー型の授業を受けさせたいことだ。
2番目は、こうした集中プログラムで英会話の能力を大きく高めるとともに、他文化の見聞を広めることを目指している。
そして3つ目が、留学できる中国の学生のほとんどにとって、世界のトップクラスの大学で学ぶことは最高の価値があり、短期間の海外滞在が入学にプラスになると信じられていることだ。
最も人気があるものの1つは、米ジョンズ・ホプキンス大学のセンター・フォー・タレンティッド・ユース(CTY)で、ここには「2年生から12年生までの子供」を対象に、米国と香港で24の夏季プログラム教室がある。
今年の参加者は「9500人」で、このうち香港からは537人、中国本土からは319人となっている。
2007年の参加者はそれぞれ108人、41人にすぎなかった。
参加しようとする子供たちはプログラムに適しているかどうか筆記試験を受ける
。これらのプログラムでは模型飛行機を作ったり、実験室での実習、具体的な社会問題の解決法を見つけることなどが行われている。
英国でのプログラムのセールスポイントは英語とスピーチ術、それにエチケットだ。
オックスフォード、ケンブリッジの両大学に多くの学生を送り込むエリート寄宿学校、イートン・カレッジとチャーターハウスでは、生徒はさまざまなビジネス状況と、異なった国民がどのように行動するかを調べる。
また、さまざまな状況下での装い、聴衆を前にしてどうスピーチをするかなども学ぶ。
こうしたプログラムは安くはない。
親たちの話によると、中国の中流の上の家族が米国留学に使う額は、航空運賃、宿泊費、授業料などで最大3万ドル(約295万円)になる。
上海のコンサルタント会社BEエデュケーションが扱っているグループツアーとしてのイートン・カレッジでの3週間プログラムの費用は子供1人当たり1万ドルだ。
これらのプログラムを受けてもエリート大学への切符を手にできるわけではないが、親たちはそれを信じようとはしない。
ジョンズ・ホプキンス大CTYのプログラムマネジャー、ジョン・ゴールドスタイン氏は
「これはいつも聞かれることだが、本当の答えはおそらく違う」
とし、
「(入学との)直接的な相関関係はないが、知的生活への深い思いがどうして入学申し込みにとって悪いことがあろうか」
と語った。
ジョンズ・ホプキンス大のプログラム修了者には多くの有名人がいて、このことが中国の親たちに強くアピールしている。
例えば、数学と科学を学んだフェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏がそうだし、文章コースを取ったレディー・ガガがそうだ。
一部の裕福な家庭はこうしたプログラムは、子供にとって実社会で生きていくチャンスと見ている。
6歳と10歳の2人の子供を米国に留学させているHelen Zhou氏は
「私の子供たちは学校の送り迎えに運転手付きの車を使うなどスポイルされてしまった」
と話した。
同氏は、昨年2人を連れてニューヨークに行った時はアパートを借りて地下鉄を利用、米国の多様性に触れたと語る。
これらのプログラムは中国の夏季学校や、友達と遊んだりソファでくつろいだりする昔からの夏の気晴らしよりも本当に良いものなのだろうか。
一部の学生は読解力と夏季学校とのポジティブな相関関係を示すが、一部の教育専門家は、良いかどうかは別にして、プログラムは高度に組み立てられており、子供が自分自身で研究する余地はほとんど残されていないと指摘する。
教育コンサルティングのスマート・コーチングのディレクター、スージー・ハインリク氏は、子供にとって夏は「本物」の経験に出会う機会だと述べた。
同氏は、多くの子供に欠けているのは、急速な変化を遂げる世界で価値が高まっている、企画や組織作りといったいわゆる実行機能(エグゼクティブ・ファンクション)だとし、自分自身で計画を立て、予算を決めて食料品店に買い物に行き、あるいは家族に代わって近くに小旅行に行くことなどを子供にさせることを提案している。
家族は旅行に出る前に子供に目的地の研究をさせ、帰ったらその経験を報告させるべきだとしている。
同氏は、こうしたことは往々にして学校、特に中国の学校では教えてくれないとし、
「私は学校でのプログラムの全てを批判するわけではないが、そうする絶対的な必要がある場合を除き、夏は子供を教室に押し込んでおくことには反対だ」
と強調した。
』
【中国ってなんでそうなるの!】
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