『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/10 12:40
http://
www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/10/2013051001105.html
韓国を猛追する中国、技術格差も急速に縮小
中国の研究開発費は韓国の3倍
韓国を追うスピードはここ5年で2倍に
韓国の通信大手、SKテレコムのハ・ソンミン社長は、今年1月に米国ラスベガスで行われた家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で「チャイナ・ショック」を経験した。
数百にも及ぶ各企業のブースの中で、ハ社長が30分以上足を止めたブースが一つだけあったが、それは中国の通信機器メーカー「ファーウェイ(華為技術)」のブースだった。
ハ社長は
「ここ1年で、あかぬけないイメージが製品から完全に消え、洗練された感じになった。
中国企業という先入観を捨てれば、部品、バッテリー、デザインの全ての面でサムスン電子とほぼ同レベルに追い付いてきた」
と語った。
世界の主要市場で、
中国企業はもはや韓国の追撃者ではない。
中国は韓国の輸出品の主力であるIT(情報技術)、鉄鋼、造船分野ですでに韓国の強力なライバルになっている。
大々的な研究・開発(R&D)投資と政府の積極的な支援策をベースに、韓国との技術格差をあっという間に縮めたのだ。
円安効果で長期的な景気低迷を脱し始めた日本と、技術面で競争力をつけ始めた中国との間で、韓国の製造業はいっそう深刻な板挟み状態に陥るとの懸念が高まっている。
■「中国の電機メーカーの競争力、韓国にほぼ追い付いた」
CESは、世界有数の電機メーカーが自社の技術力と製品をPRする競演の場だ。
サムスン電子、LG電子など韓国企業は2000年代半ば以降、世界初あるいは世界最高性能を誇るテレビや携帯電話を相次いで発表し、CESの主役として君臨してきた。
ところが今年は状況が一変した。
中国企業が主役に躍り出たのだ。
CESに何度も足を運んでいるSKテレコムのヨム・ヨンソプ情報通信室長は
「今年のCESは『コンシューマー・エレクトロニクス・ショー』ではなく『チャイニーズ・エレクトロニクス・ショー』との声が上がるほどだった。
来年には中国企業の製品の競争力が韓国を追い抜く可能性もあるのではないかと感じた」
と語った。
サムスン電子は今年のCESで、110インチの超高解像度(UHD)テレビを切り札として登場させた。
当然、世界で初めて開発したものと考えていたが、中国の奇襲が待っていた。
中国の家電メーカー「海信(ハイセンス)」と「TCL」もそろって110インチUHDテレビを展示していたのだ。
中国が少なくともハードウエアの製造技術で韓国企業に完全に追い付いたわけだ。
LG電子の権喜遠(クォン・ヒウォン)社長は
「中国企業の追撃のスピードがあまりに速く、どう引き離すべきか役員たちと朝から晩まで頭を悩ませている」
と述べた。
現在テレビ製造業界では、中国との技術格差は6カ月未満だとみている。
権社長は
「もはや紙一重となった技術格差を徐々に広げるのが最優先課題だ」
と語った。
重機・造船・石油化学分野では中国が韓国をすでに追い抜いたケースもある。
韓国製の掘削機は10年前の2003年までは中国市場を席巻していた。
現代重工業、斗山インフラコアの両社は一時期、中国の掘削機市場でのシェアが50%に達していた。
だが08年の米国発金融危機以降、中国の建設機械メーカー「三一集団」が攻撃的なマーケティングを展開したため、昨年には中国の掘削機市場での韓国企業のシェアは10%台半ばにまで落ち込んだ。
韓国の造船産業は昨年、11年ぶりに「造船輸出1位」の座を中国に明け渡した。
また、中国は2011年、PET(ポリエチレン・テレフタレート)、合成フィラメント糸など、韓国が世界市場シェア1位を守ってきた12の品目で世界1位の座を奪った。
■「R&D攻勢に出た中国、韓国を抜くのは時間の問題」
韓国産業研究院は、製造業全体(2011年現在)で見て、韓国の技術力が中国の3.7年先を行っていると分析していた。
だがここに来て
「韓国と中国の技術競争力の差は急速に縮まっている」
と懸念する専門家が増えている。
中国経済金融研究所のチョン・ビョンソ所長は「ここ5年間で中国が韓国を追うスピードは2倍以上速くなった。
中国には有人宇宙船を飛行させるほどの技術力があるという事実を忘れてはならない」と指摘した。
中国の産業競争力が高まっているのは、研究開発に巨額の資金を投じているからだ。
2010年時点での中国の研究開発投資額は、韓国の3倍近い1043億ドル(約10兆円)に達した。
現代経済研究院のハン・ジェジン研究委員は
「製造業全体で見て、中国が韓国を抜くのはもう時間の問題。
量的には中国に追い付くのが困難なため、研究開発投資の効率性を高め、宇宙科学に関する海外の人材を積極的に活用するなどの方法を検討すべき」
と語った。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/10 12:35
http://
www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/10/2013051001101.html
韓国を猛追する中国製造業
専門家「韓国企業、輸出市場で苦戦の恐れ」
中国製造業の技術力が恐るべきスピードで発展を続けている。
太陽光発電や風力発電、バイオといった次世代産業は製造業の強い韓国をリードし始め、ディスプレーや携帯電話、鉄鋼など一部の主力産業分野でも韓国企業を激しく追い上げている。
このままいけば韓国は3-5年のうちに中国製造業に追いつかれ、世界の輸出市場で苦戦する業種が増える、と国内外の専門家たちは警鐘を鳴らしている。
中国の製造業はすでに、衣類や履物、かばんなどを主力輸出製品としていた時代を脱却した。
韓国の国際金融センターが今年2月に発表した分析によると、2000年の中国の輸出品目トップ10は衣類、繊維、履物、玩具などだったが、12年にはこれらに代わりパソコン、通信機器、半導体などの電子製品、液晶ディスプレー、船舶などが1-5位に入った。
研究開発(R&D)分野でも躍進している。
世界知的所有権機関(WIPO)がまとめた11年の特許国際出願件数によると、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)が2826件で、単一企業としては首位に立った。
2位のパナソニック(2463件)に続き、
3位にも中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、1831件)が入っている。
サムスンやLGなど韓国を代表する企業はランクを下げた。
米国国立科学財団(NSF)による昨年の調査でも、中国は初めて日本を制し、米国に次いで世界2位のR&D投資国に浮上した。
中国はここ10年間、毎年20%ずつR&D投資を増やしている。また、英国王立協会は11年、英語で書かれた科学論文の本数で中国が10.2%を占め、米国(21.0%)に次いで2位を記録したと発表した。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/10 12:38
http://
www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/10/2013051001102.html
中国の輸出品目上位、大半が先端製品
世界最大手企業が続々登場
今年1月末、北京郊外の亦荘にある京東方科技集団(BOE)の液晶パネル工場では、春節(旧正月)記念公演が盛大に行われていた。
従業員の男女約20人がステージに上がり、韓国の人気歌手PSY(サイ)の歌『江南スタイル』に合わせ、楽しそうに踊った。
例年には見られなかった光景だ。
BOEは昨年、レベルが異なる企業へと生まれ変わった。
北京工場の第8.5世代液晶パネル生産ラインが全面稼働し、携帯電話用小型パネルから40-50型のテレビ用中・大型パネルに至るまで、あらゆるサイズのパネルを生産できる総合メーカーへと浮上した。
売上高は前年比102%増の258億元(約4090億円)で、2007年に液晶パネルの本格生産を開始してから5年目で2億5000万元(約40億円)の黒字を出した。
■世界市場のダークホースに
不動産が主力事業だった同社は、10年前の03年にハイディス(韓国・現代電子の液晶ディスプレー事業部門)を買収し、液晶パネル事業に参入した。
一時は技術力不足と累積赤字に苦しんだが、11年末に第8.5世代の生産ラインが完成して以降は躍進している。
昨年は日本のシャープを抜き、世界5位のメーカーとなった。
今年1月にはサムスン電子が米国ラスベガスでの家電見本市CESに出展した110型テレビ向けに液晶パネルを納入し、高い技術力をアピールした。
BOEは攻撃的な投資で世界の液晶パネル業界を緊張させている。
今年末までに安徽省合肥市の第8.5世代生産ラインと内モンゴル自治区オルドス市の第5.5世代有機ELパネル生産ラインが完成する。同社の張宇副社長は
「BOEの世界シェアは今年の6-8%から来年には10-12%まで上昇が見込まれる」
と述べた。
中国の製造業が世界市場で夕食な存在へと浮上している。
靴、衣料、アクセサリーなどが中心だったのも昔の話だ。
その代わりにコンピューター、半導体、携帯電話、ディスプレー、通信設備、鉄鋼など先端・重工業分野で頭角を現す企業が続出している。
聯想集団(レノボ)、華為技術のようにコンピューター・通信分野では世界1、2位の企業も現れ始めた。
■アップル・サムスンに追い付け
急速な成長を見せるのは、スマートフォン(多機能携帯電話端末)を含む携帯電話端末の生産だ。
中興通訊(ZTE)、レノボ、華為、酷派(クールパッド)などがリードする中国の携帯電話メーカーは昨年、中国での市場シェアが50%を超えた。
レノボは15%前後のシェアで、ノキアを抜き、サムスン電子に次ぐ2位に浮上した。
中国製の携帯電話端末は、ハードウエアの面で完成度が高いにもかかわらず、価格が外国メーカーの製品の60-70%と安いことが強みだ。
華為は製品全体の60%を輸出するほど、世界市場でも品質が認められている。
華為の万飆・携帯電話部門社長(飆は実際には左右が逆の異体字)は先月、スペイン・バルセロナで行われたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で
「5年前にはアップルやサムスンも携帯電話の生産規模は小さかった。
5年後に華為は少なくとも世界3位、さらに世界トップの企業になる可能性がある」
と述べた。
華為は通信設備分野でもスウェーデンのエリクソンに次ぐ世界2位だ。
BOEが主導する中国の液晶パネル業界も、昨年は中国の国内シェアが30%まで上昇した。
中国メーカーはシェアを15年までに80%まで高める目標を掲げている。
「鉄鋼製品の華」と呼ばれる高付加価値の自動車用鋼板も中国では国産シェアが75-80%に達する。
宝鋼、鞍山鋼鉄などはドイツ、日本の企業と技術提携し、技術水準が大幅に向上したと評価されている。
中国地場の自動車メーカーは、昨年の輸出台数が100万台を超えた。
■巨大な内需市場と労働力が武器
中国の製造業は競争力を下支えする基盤を備えている。
13億人の人口を抱える巨大な内需市場、必要な物はどこでも購入できる部品供給ネットワーク、優秀でも人件費が安い技術人材などはどの国にもない強みだ。
デロイトチャイナのリッキー・トン製造業担当役員は
「中国の製造業は政府の集中的な支援と税制などの面で魅力的なだけでなく、先進国レベルの部品供給網を備えている」
と指摘した。
』